リアル企業を分析してみよう⑤
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
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㈱ペッパーフードサービスの分析が続きます。
今日は、ペッパーランチ事業について書いていきます。
ステーキについて毎日書いていますので、牛さんがどことなく悲しげに見えますね・・・。哀愁の牛ですわ。
ペッパーフードサービスの部門別PLを貼っておきます。
いきなり!ステーキ事業は赤字ですね。これは今まで述べてきた通りです。
本社・その他も赤字が大きいですね。
ペッパーランチ事業は安定の黒字ですね。でも2021年12月期からは業績が入っていません。
昨日の再建案でも紹介したとおり、ペッパーランチ事業は売却という事です。
本来であれば、セグメント別会計で不採算部門を撤退させるのがセオリーでしょうが・・・。
安定的な利益を計上させていたペッパーランチ事業を売却する事は良く分かりません。
売却せざるを得なかったと言った方が良いのでしょうか・・・。
診断士試験的に考えると事例Ⅳセグメント会計において、撤退するか?しないか?といえば何で判断しますか?
貢献利益ですね。この論点は良く出題されて、簡単な論点なので取りこぼしが無いようにして下さいね。
今後の再建スキームをこちらに貼っておきます。
この経緯は6月1日に突如会社分割の発表を行います。
ペッパーランチ事業を株式会社JPに移管しています。
これから予測する事は、この2つです。
①業況が悪化した「いきなり!ステーキ」事業が倒産した際に、業績が良いペッパーランチ事業を残しておきたいから
②ペッパーランチ事業を本体から切り離すことにより事業譲渡を行いやすくしたため
ペッパーランチ事業は業績が良いのだから通常は前者である①のパターンを想定します。
しかし、蓋を開けたら②のパターンでした。
なんとペッパーランチ事業を85億円で売却しました。
㈱ペッパーフードサービスの資金繰り状況を見たらしょうがない決断なのでしょう。
この売却資金はリストラクチャリング費用に使われるとの事です。これで当面の資金繰り問題はとりあえず大丈夫なのでしょうね。
また2020年12月期に約70億円の特別利益を計上を予定しています。税引後利益がいくらになるか分かりませんが、相当な利益を計上するはずです。
ここで思い出して欲しい事は㈱ペッパーフードサービスは大幅な債務超過であった事です。2020年12月期に大幅な利益を計上する事により利益剰余金が増加されて債務超過は解消されます。これで財務体質の改善につながります。
さて、これからは収益源であるペッパーランチ事業を失ってしまい、いきなり!ステーキ事業の収益性改善が一番のメインテーマになります。
ペッパーランチ事業を売却する事は悪い言葉で言えば時間稼ぎでしかありません。
でもこれから厳しい船出でしょうね。コロナの影響もまだ続きそうですし・・・。
そもそも現状では高い原価率により粗利ではあまり稼げません。立ち食いステーキにより回転率を重視するスタイルです。コロナによりそもそも客数が少なくなっているので回転率に頼れません。
中小企業診断士的にはこだわりの肉を使って高付加価値戦略をする事が定番でありますが・・・。
素朴な疑問として社長交代は無いのね・・・。これだけイケイケで経営危機に陥ったのに急に方向転換が出来るのでしょうか?
これから目が離せませんね。
私個人的には切り離されたペッパーランチがどうなっていくのか?変な足かせが無くなって、売上が伸びたりして・・・。
では㈱ペッパーフードサービスの分析はここまでにします。
肉食いてー。しかし、明日は人間ドックなので辞めときます。
ではまた明日へ。
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