リアルな企業を分析してみよう③
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
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今日はペッパーフードサービスの安全性分析の続きです。
もうすでに安全性は低いことは分かると思いますが・・・。
では2020年12月期第2四半期決算短信を貼っておきます。
昨日は短期安全性である流動比率がヤバい事になっていましたね。
今日は自己資本比率の観点から分析します。
まず目がいく事が純資産合計です。純資産合計がマイナスになっています。
この時点で債務超過確定です。
私は地方の中小企業相手の銀行員なので債務超過の決算書は違和感無いですが、株式上場している企業で債務超過はかなりヤバいのでは・・・。
安全性が低いと何が問題になるでしょうか?
資金調達しずらい・・・そりゃそうですよね。安全が低い所に融資するとデフォルト(倒産)リスクが大きくなりますし・・・。
株価減少・・・株価が減少し続ける株は買いませんよね。もし保有しても損切の対象になります。
ペッパーフードサービスの株価推移です。
2017年終値 5,030円
2018年終値 2,882円
2019年終値 1,259円
2020年終値 413円
右肩下がりで推移しています。2018年頃と言えばまだいきなり!ステーキが好調なころのはずですが、投資家の間では「あの企業イケイケすぎるんじゃない?」という噂があったのでしょうか?良く分かりませんが、とにかく株価は右肩下がりですね。
診断士2次試験的に考えて見ましょうか?
企業は赤字を計上すれば内部留保がマイナスになります。
内部留保を食いつぶすという表現をしますね。
ペッパーフードサービスは積極的な店舗拡大路線を図りました。
それには資金調達が必要です。
通常の流れで考えます。
長期借入金の増加→店舗投資→売上増加→利益増加→内部留保増加→自己資本増加というサイクルになればベストです。
良く言われる事が「借入金が増加」する事を「悪」とする考え方ですが、別に悪いわけではありません。ちゃんと投資により売上増加及び利益増加すれば企業規模拡大に繋がるわけです。
長期借入の増加<負債の増加>→店舗投資<資産の増加>→売上大幅減少→利益大幅減少→内部留保激減みたいなイメージです。
この負債→資産→売上→利益→資本というイメージを持つと財務の流れが分かりやすいと思います。
・店舗投資<資産の増加>→売上減少することは何を意味しますか?
有形固定資産回転率の低下を表します。
店舗投資に対して売上への貢献度が低い状態です。
・長期借入の増加<負債の増加>→利益減少は何を意味しますか?
負債比率の増加を表します。
借入が増えて、自己資本が低下しています。
・店舗投資<資産の増加>→利益減少は何を意味しますか?
自己資本比率の低下を表します。
総資本が増えているのに、自己資本が低下しています。
この流れが分かれば、財務分析が面白くなると思います。
ただ単発の指標だけを見ても、経営の流れが分かりません。
CF計算書もこちらに貼っておきます。
2019年6月期に注目すると
営業CFはマイナスの状態で、投資を行っている事が分かります。
営業CFがマイナスなので、本業で稼いでおりません。本業で稼いでいないにも関わらず、借入及び手元資金を取り崩してまで投資しています。
そこまでして投資にこだわってしまったものはなんでしょうか?
もしかして「ゆでガエル」状態だったのでしょうか?
これは良く分かりませんが、冷静な目で見れば投資やり過ぎだと思いますが・・・。
次に2020年6月期のCF計算書を見ます。
営業CF △2,430百万円
投資CF △164百万円
FCF △2,594百万円
期首現金残高 2,469百万円
小計 △125百万円
この時点で現金が足りません。
この状況から昨日紹介した取引先の社長からの借入が必要だったわけです。
かなり状況は逼迫していたことが分かりますね。
今日はここまでにします。また明日もこのネタでいきます。
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