リアルな企業を分析してみよう②
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
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今日は「リアルな企業を分析してみよう」という事で引き続きペッパーフードサービスについて書いていきます。
今日は決算短信かの数値から実際の経営分析をしていきます。
2020年12月期第2四半期決算短信(連結)を掲載します。
まずは貸借対照表からです。
2020年6月の数値を見ていきます。
流動比率 33.17%
これいきなりヤバくないすか・・・。
流動比率は100%以上ないと短期安全性が・・・。
この数値の要因は何でしょう?
短期安全性といえば資金繰りが大きく影響していきますので、その観点からも分析していきます。
①まずは流動資産から見ていきましょう。
資金繰りに悪さをする勘定といえば、売掛金と商品です。
売上債権と棚卸資産が増えるとCFにおいてはマイナスの影響を及ぼします。
以前資金繰りについての記事を書いた時に紹介しましたが、正常運転資金という考え方があります。
正常運転資金=売上債権+棚卸資産ー支払債務です。
この数値が大きければ、その分運転資金が必要になります。
売掛金 2,286百万円 → 1,300百万円
商品 449百万円 → 268百万円と減少しています。
資金繰り上ではプラスの影響を及ぼします。
しかし、売上が52%減少していますので、売掛金、商品も半減しているのは当然ですね。
流動資産合計も7,486百万円から5,559百万円と減少しています。
②流動負債です。
流動負債合計が14,910百万円から16,758百万円に増加しています。
もうこの時点で流動比率が悪化している事が確定します。流動資産と桁数も違いますし。
買掛金は減少しています。正常運転資金の観点から考えると
<正常運転資金>
2019年12月期 △3,827千円
2020年 6月期 △2,877千円
理論上では運転資金は要らない事になります。
ではなんで流動負債が増加したのでしょうか?
短期借入金が急上昇していますね!!
短期借入金は2019年12月はありませんでした。しかし2020年6月期は3,146百万円増加しています。「いきなり!!借入」みたいな感じになっています。
ペッパーフードサービスのIR情報にこんな記載がありました。
取引先の社長に20憶円借りたそうです。それも返済期日2か月・・・。銀行でも無く、取引先でも無く、取引先の社長に20憶です。
銀行に行っても借入に時間がかかると判断したのでしょうか?
その実態は分かりませんが、そうとう資金繰りに急を要した事が考えられるます。
もともと多店舗経営が失敗した事に加えて、コロナウイルスの影響による売上減少が半端ない事を意味しています。
「こてっちゃん」は知っていましたが、エスフーズ㈱は馴染みが無かったです。すいません・・・。
エスフーズ㈱自体も「こてっちゃん」という食品メーカーです。コロナの影響を受けていないかというと、そんな事はないはずです。
利益は出していますが、やはり利益項目は減少しています。
こてっちゃんは冷凍食品でありコロナの外食自粛の影響下では選ばれた商品かも知れません。でもサプライチェーン全体がコロナの影響を受けていますので、やはりエスフーズ㈱も影響を受けています。
そんな中で会社として20億円を経営が厳しいペッパーフードサービス㈱に融資するでしょうか?たぶんしないでしょう。
個人借入でも利益相反行為になるのでは無いかという疑問はありますが、これは少し置いておきましょう。
あくまでも取引先の社長にお願いして、なんとか資金繰り難を逃れたという事だと思います。
これを見るとコロナウイルス待ったなしと言えるかも知れません!!
短期安全性は資金繰りと直結します。
今の時代に倒産する要因は資金繰りが一番では無いでしょうか?それだけ資金繰りの重要性は高いと思います。
ではきょうはここまでにします。ではまた明日へ続きます。
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