中小企業診断士けんけんの部屋

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平成28年事例Ⅰ 設問&与件分析

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平成28年事例Ⅰの設問分析を解説しています。

事例Ⅰの鉄板論点や考え方をマスターしていただければ幸いです。

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今日は第3問です。

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 業績低迷が続くA社とあります。

そんなA社が「有能な人材を確保」するため「人事施策を導入」しようとしています。どんな人事施策が有効ですか?と中小企業診断士であるあなたに社長から聞かれています。

「有能な人材の確保」はどうすれば良いのでしょうか?

有能な人材のモラールを上げる人事施策

有能な人材の能力を上げる人事施策

モラール×能力の視点は頻出ですね。

そもそも「有能な人材」ってどんな人材なのでしょうか?

人事施策を導入とあるので、今現在では導入していない「人事施策」なのでしょうか。

ここで一番ダメなパターンは人事施策だからと言って全て知識で書く人です。

知識だけの解答は一般論です。ネットを見ればすぐ手に入る情報です。

ネットで直ぐに手に入る情報を診断士に助言されても・・・。

事例企業の困りごとにピンポイントで助言する事が診断士の意義ではないでしょうか。

人事施策は山ほど並べて「後は社長さん選んで下さい」みたいな助言はしないで下さいね。

 

あれ、設問分析が早々に終わってしまいました・・・。さすがにここで終わりにしたら怒られますよね。

 

では与件を一緒に検討していきましょうか。与件文の着目ポイントなどを解説できればと思います。

まずは第1段落からです。与件文をそのまま貼ります。

 

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皆様は事例Ⅰの第1段落、どこをチェックしていますか?

第1段落はA社の業種、従業員数、売上規模、経営理念など重要な情報が載っています。私がチェックしたところは下記のようになります。

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まずは創業年、資本金などが出てきます。大正時代の半ばの創業で歴史があります。

「老舗」印刷業者とあります。

ここで「老舗」というキーワードが出てきました。

老舗・・・素晴らしい言葉の響きです。伝統と格式があり歴史を積み重ねるA社。

でも事例Ⅰの場合は全てが良い事ではありません。

老舗なので伝統はあります。

ただし事例Ⅰのストーリーは過去成功しているA社に外部環境の変化が起きます。

そしてA社は外部環境変化に対応して新たなビジネスモデルを構築していきます。

ただ伝統が足かせになり、新たなビジネスモデルを構築出来ないというケースが多いです。

「過去の成功にしがみつく」「ゆでガエル」など事例Ⅰあるあるキーワードがありますが、実はこのパターンになります。

昨年の事例Ⅰでもあったと思います。外部環境の変化が起きているのに「ゆでガエル」状態みたいな・・・。

老舗企業ゆえに伝統が邪魔をして「外部環境変化に対応しずらい」もしくは「外部環境変化に対応しない」。

半沢直樹の帝国航空みたいですね・・・。

 

そしてA社は「一族で経営を継承」しています。同族企業ですね。

同族企業のメリット、デメリットは言えますか?

これも与件文を読み解く上でヒントになりますのでチェックして下さいね。

 

A社は売上は15億円ありますが、売上は毎期減少して利益もほぼ出ていない状態です。

目下の経営課題は「売上や利益を確保して同社の歴史を絶やさないことにある」と書いております。もう既にA社は大ピンチに陥っています。

しかし、150人前後で推移してきた従業員(非正規社員15人前後を含む)のリストラをしないと述べています。

 

経営課題はチェックして下さいね。

 

経営の課題なので、これは必ず解決しなければなりません。

「この場合はA社の歴史を絶やさない!!」という事なので、診断士のあなたが出てきて廃業させるわけにはいきません。当たり前ですが・・・。

 

また従業員に関する情報が出てきました。これもチェックです。

150人前後で推移してきた従業員(非正規社員15人前後を含む)とあります。

A社は正社員中心の企業である事が分かります。

事例Ⅰの非正規社員の管理がテーマになる事が良くあります。

でも今のご時世では正社員と非正規社員を分けるのは難しいかもしれないですが。同一労働同一賃金問題があるので・・・。

でも非正規社員がテーマの場合は、必ず従業員情報にヒントが隠されています。正規社員と非正規社員の割合が書いてあれば要注意です。

 

 

次に「経営理念」も必ずチェックして下さい。

「社員は宝」のスローガンの下で、新卒社員と女性社員を中心に採用をすすめ人件費以外で効率化すると書いてあります。

ここで「社員は宝」というキーワードは絶対に解答に使います。

社長の「経営理念」+「・・・」というカッコ書き表現=作問者の強調表現である事から解答に落とし込みたいキーワードになります。

また社長は、新卒社員と女性社員を積極的に採用しています。第3問の採用に関する問題で必ず使います。新卒社員と女性社員というワードがそれぞれ解答の切り口になる可能性が高いです。

次に、社長は人件費以外で効率化を図りたいと書いています。これも社長の意向です。

社長の意向なので、診断士が社長の意向を無視して診断助言する事は絶対NGです。

先ほど「A社社長は絶対にリストラはしない」と述べています。

なので「リストラをしろ!!」という助言をした時点で、社長から塩をまかれると思って下さい。強制退場です。

 

第1段落で今日は終わってしまいました。でも重要なのでチェックして下さいね。

今日はここまでにします。

なお本ブログ掲載した試験問題は一般社団法人中小企業診断協会HPから引用しております。

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