平成28年事例Ⅰ 与件分析②
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
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平成28年事例Ⅰを設問分析、与件分析について書いています。
昨日は第1段落を分析しました。今日はその続きという事で・・・。
与件を読みながら、事例Ⅰの頻出論点、与件文のチェックポイントを紹介していきますので是非参考にして下さい。
★第2段落から見ていきます。
皆様はどう読みましたか?私がチェックしたところを貼っておきます。
「A社の売上の70%程度を占めている」という表現が出てきました。
これわざわざ書いているように気がしますね。
「売上の70%程度」という文章書く必要がありますか?
これを作問者のわざわざ表現と言います。出題者からのヒントと捉えて良いでしょう。
「売上の70%を占める」と聞いて何を思い浮かべますか?
「依存からの脱却」です。
でも、そもそも依存していると何が問題ですか?
主要顧客や主要事業に依存しているとしましょう。事例Ⅰはそもそも外部環境の変化への対応という事はこのブログで述べてきました。
売上を依存しているA社に外部環境の変化が直撃したらどうなるでしょうか?
当然売上変動リスクが半端ないことになりますよ。A社は完全に経営危機に陥ります。依存からの脱却する際には、A社の強みであるコアコンピタンスを活かしながら多角化していきます。
この与件文を読んでいくと学校アルバム事業は売上に70%、残り30%が一般印刷事業、美術印刷事業などが占めます。
この売上割合が書いてある場合は要注意です。大体売上割合が高い事業を抑えて、低い事業を伸ばしていく方向になります。
第2段落はこんな感じです。
★第3段落に入ります。
私がチェックした点はこちらです。
A社の業績が悪化しはじめました。やはり事例Ⅰの鉄板ストーリー通りの展開です。
始めはA社は成功していますが、かならず外部環境の変化によりA社の売上は低下します。
「当時のA社の成長を支えてきた要因」は「経営理念として引き継がれている人材力の強化、すなわち社員教育の成果」にあったと言っています。
A社のコアコンピタンスである強みを表します。
それと同時にA社の成功体験です。
この人材力の強化、逆に言えば「強化された人材」はA社の強みになります。
社員教育もA社の強みの源泉になりますので、今後も継続していくでしょう。
★第4段落を見ていきます。
私がチェックしたところはこちらです。
まずは時系列チェックです。
「1970年代半ば」「3代目社長」とあります。この段落からは「3代目社長」が行って事が書かれています。設問にも3代目社長の事が聞かれています。
これで設問と与件文が3代目で繋がった事になります。
「他者に先駆けてオフセット印刷機を導入」「独自で技術開発」「印刷精度を向上させた」と与件文にあります。
「他者に先駆けて」「独自で」は要注意です。
コアコンピタンスである強みを形成する表現になります。
印刷業界は差別化しにくい業種である為にどこで差別化したか?
「他者より先に技術開発しましたよ!!それも独自にやったので他社のマネはしておりません」みたいなイメージです。
そして「印刷精度を向上」させて強みを活かして、美術印刷事業へ進出しています。
アンゾフの成長ベクトルの考え方です。
「また」を挟んで重要センテンスがあります。
「社員教育に力を注ぎ」→「企画力やデザイン力を強化・向上させた」→「他者と差別化を図ることができた」とあります。
第3段落でA社を支えてきたのは経営理念として引き継がれている人材力の強化とありました。A社の強みの源泉は人材力の強化からきています。
それを踏まえて、社員教育に力を注ぎ「企画力・デザイン力を強化・向上させた」と書いてありますので、「企画力・デザイン力」は完全に解答に使います。
これを使わなければアウトだと思います。
A社の差別化した直接の要因になりますので・・・。
「さらに」教育効果を高めるために研修施設を作り、いろいろ研修を頑張りましたと書いてあります。
あとは注目すべき点は文章構成です。
A「また」B「さらに」Cという文章構成になっています。
これは並列の接続詞です。
接続詞を含めた文章構成はチェックした方が良いと思います。
これは解答の切り口になる可能性があります。
例えば、解答要素としてAの事を解答に書きたい場合は、BとCも解答要素になる可能性がある事を意味しています。
並列の接続詞なので、A、B、C それぞれが関連しています。
以上から「Aという解答要素を思いついた!!」と慌てて解答を書くのではなくて、BとCも解答要素になるか考える余裕が欲しい。できれば・・・。
少し長くなってきたので、今日はここまでにします。
なお本ブログ掲載した試験問題は一般社団法人中小企業診断協会HPから引用しております。
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