平成28年事例Ⅰ 設問分析①
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
昨日まで80分のプロセスについて話しました。
80分のプロセスは皆様自身が作り上げるものです。
マーカーを使っても、鉛筆1本で勝負しても大丈夫です。
与件を1度しか読まない派でも、2回読みでも大丈夫です。
最終的に80分の試験時間で合格答案を提出する目標に近づけば良い事ですので・・・。
では今日から過去問分析を再開していきます。
平成28年事例1を設問分析中心に書いていきます。
問題文はこちらになります。
事例Ⅰは設問分析が重要です。
なぜなら設問が何を言っているか分かりにくいからです。
何を聞かれているか分からない状態で解答を書いても、出題者の要求通りに答えているかどうか分かりません。
まずは第1問から確認していきましょう。
私が確認した点をこちらになります。
まずはリード文をチェックしましたか?
「A社の3代目社長の時代に進められた事業展開」とあります。
この問題が「A社の3代目社長の時代」に行われた事が分かります。
この3代目社長は要チェックです。事例Ⅰで時制を表す表現は必ずチェックする事です。
事例Ⅰは過去から現在へと時系列に与件が展開されていきます。
与件文には必ず「3代目社長」というキーワードが出てきます。
与件文で3代目社長が出てきた周辺の段落が間違いなく解答根拠になるはずです。
それに「業績が好調であった」とあります。
事例Ⅰに場合は過去に必ずA社は成功しています。
そして外部環境の変化が訪れます。一転してA社はピンチに陥ります。
ピンチに陥ったA社はそこで諦めません。
驚異にさらされても倍返しです。帝国航空のようです。(半沢直樹ネタですいません)
A社のビジネスモデルを変える事が求められます。
これが事例Ⅰのざっくりとしたストーリーです。
次に設問1を検証していきます。
「当初立ち上げた一般印刷事業などの事業展開によってA社は成長する事ができた。」
とあります。
やはり過去のA社は成功していました。
まずはこの問題で聞かれている事は何でしょうか?
「A社が成功する事が出来た要因」が聞かれています。
A社の成功要因分析です。
事例Ⅰの場合は「強みを活かした」事が解答候補になります。
事例Ⅰは強みの維持強化が根底のテーマにあります。なので与件文からA社の強みになる部分を抽出する事が求められます。
ではなぜ、成功要因を分析させているのでしょうか?
これは今後、この成功要因を活かすからです。
成功要因である強みを今後も活かしていく視点です。
次に設問2を検証していきます。
「1990年代後半」というワードは時制を表します。
これも必ずチェックして下さい。
「売上の大半を学校アルバム事業が占めており」とあります。
これは「依存からの脱却」という事例Ⅰの主要テーマである可能性が高いです。
これは、事例Ⅰあるあるですね。
また「新規事業が大きな成果を上げてきたとはいえない状況」とあります。
「依存からの脱却」からの「新規事業が上手くいっていない」ときたら何を思い浮かべますか?
「無関連多角化」を思い浮かぶようにして下さい。
事例Ⅰは強みを活かして多角化していきます。
シナジー効果が無いという事は強みを活かせないという事になります。
第1問は以上になります。
事例Ⅰは初学者の皆様は一番とっつきにくいかもしれませんね。ただ経験を積んだ多年度生の方が有利かと言えばそうでもありません。
いろいろな経験や知識が付けばつくほど事例Ⅰは一般論的な解答を書く受験生が増えていきます。
でも事例Ⅰはコツを掴めば安定的に得点が取れると思います。それも案外得点差がついてしまいます。そのコツをお伝えできればと思っております。
また明日へ続きます。
なお本ブログ掲載した試験問題は一般社団法人中小企業診断協会HPから引用しております。
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