難易度評価の方法②
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
昨日の復習はこちら。
今日はその続きです。
②の制約条件について書きます。
簡単に言うと「長い設問は難易度高いっす」という事です。
これはCVP分析と絡めて話しますね。
CVP分析ってC:コスト V:販売量 p:利益の3つから収益性を分析するものでしたよね。コストの部分で登場するのは変動費・固定費です。
収益性を改善するために変動費・固定費のコスト改善を図るものです。
令和元年事例4では変動費・固定費がまるっきし違う費用構造の事業部なのに、全体の利益計画の資料として使用するのは、まずいって論点ありましたよね。だって全社的にCVP分析しても変動費・固定費の改善につながらないですもん。
CVP分析は売上高、変動費、限界利益、固定費、利益の登場人物はこれくらい。なので難易度は比較的優しい論点だと思います。
出題者としても簡単な問題ばかりだとみんな点取り放題ですよね。
難しくする方法はあるんです。要は設問にいろいろな条件を付けることです。
平成24年事例4第1問がこのパターンです。(この事例は個人的にはすごい良問だと思います)後継者問題に悩む旅館の事例です。設備が老朽化して売上が伸び悩みますが、これからどうしましょう?という事例です。CVP分析と先ほど述べましたが、これは予想損益計算書を作成する問題です。しかしこの問題は巧妙に変動費と固定費を変化させています。
まずこの旅館客単価は23,000円です。(チョー高くないっすか?私だったら絶対に泊まれないです)今年の宿泊者数は年間16,500人で赤字計上しています。
そこで設備改修したシュミレーションを行います。
改修初年度が17,000人、2年目以降が18,000人に回復した場合、
①まず客数が変わるので売上高は変化します。
もう一つ重要論点が「客数(販売量)が変化した場合、変動費も変化する」ことを忘れないでくださいね。
②客数が変化しているので、同じ割合だけ変動費も変化します。
これ客単価が変動した場合は変動費まで変化しませんからね。ただ社長が安売りしているだけなので。
③次に固定費を変化させていきます。
改修後は年間の設備保守点検・修繕費は今年度より20%増加、水道光熱費、宣伝広告費今年度より10%増加するとのこと。
④借入をすることによる支払利息を変化させます。
この旅館130,000千円の借入を行います。当然支払利息は増えますね。あれっ、金利書いてないぞ!とおもったら財務諸表にこそっと書いてあるし。
⑤減価償却も当然変わりまっせ。
どうですか?これを80分の試験の中で整理しなければならないのです。それも他の設問もあるし・・・。それに一つ間違えると解答は間違えてしまうし。
出題者も全く知らない論点を出題するとこんなの知らんがなと叩かれるし。いろいろ制約つけちゃえばケアレスミスするんじゃね作戦ですかね?
結論から言えば
「問題が長い場合は要注意。まずは簡単な問題から解答することをお勧めします。」ということが言いたいがために、ズラズラ書いてしまいました。
一応事例4シリーズは今日で一旦終了です。受験生時代に参考になった本をご紹介しておきますね。この2冊は本当に役に立ったので一読の価値ありです。
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