経営分析(効率性)
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
昨日から事例Ⅳで必ず出題される経営分析について解説しています。
経営分析は事例企業の財務状況を把握する基礎となりますので、是非マスターして下さいね。
昨日は収益性の論点を話しました。
今日は効率性です。
効率性で使う指標はこの3つではないでしょうか?
売上債権回転率
棚卸債権回転率
有形固定資産回転率
昨日と同じく平成30年事例4で解説していきます。
まずは財務諸表を見て効率性の指標について考えてみましょう。
まずは効率性を検討する上で検討する指標を説明します。
売上債権回転率=売上高÷売上債権
有形固定資産回転率=売上高÷有形固定資産
売上高と売上債権、棚卸資産、有形固定資産の各指標との関係になります。
ここで各指標を良く考えてみましょう。
①売上債権回転率
現金取引であれば売れたら直ぐに現金は入ってきます。
売上債権はいわばツケのようなものです。
売れても直ぐに現金が入ってこない。これは資金繰りに影響します。
なので売上債権回転率は高い方が良いです。
売上に対して売上債権の比率が大きいと資金繰りが苦しくなっていきます。
②棚卸資産回転率
棚卸資産は商品と考えていただくとイメージが湧くと思います。
商品を作るのにも材料費などがかかっています。
商品が売れた始めて現金化が図れません。
商品が売れない状態を不良在庫と言います。いわゆる売れ残りです。
売れ残った商品にも当然材料費がかかっています。
棚卸資産は少ない方が資金繰りの観点からは良い事です。
ただ少なすぎると欠品の可能性が高くなります。
程ほどにという事で・・・。
事例4の場合は急激に在庫は増えていたら資金繰りが怪しくなってきます。
③有形固定資産回転率
有形固定資産と売上の関係です。有形固定資産が売上にどの程度貢献しているか?を表しています。
有形固定資産に対して売上が大きければ、分子である売上が大きくなります。
有形固定資産回転率は大きくなります。
以上から有形固定資産回転率は大きいほど良いです。
基本的な指標の説明が終わったところで財務諸表を見ていきましょ。
①まずは売上高から見ていきます。
D社の売上は同業他社よりも少ないです。
効率性指標の分子になる売上が同業他社より低いです。
②効率性指標を見ていきます。
売上が同業他社より低かったです。
ここで効率性指標が同業他社よりも大きい場合は効率性が悪い事になります。
棚卸資産と有形固定資産回転率に着目して下さい。
同業他社より大きい事は一目瞭然です。
先ほど効率性指標は分子である売上高、分母である効率性指標の関係と述べました。
分子が減っているにも関わらず、分母の効率性指標が増えている。
当然、効率性指標の計算結果が低くなるに決まっています。
強調したい点は電卓を今まで一切使っていない事です。
私は極力電卓を使いません。
暗算でやる訳では無く、電卓を使わなくても経営指標のあたりは付ける事が出来ます。
電卓はタッチミスがあれば数値は合わないです。
「なるべく電卓を叩く回数を少なくする方が時間短縮にもなりますし、電卓の打ち間違いも減る」という事が私の出した結論でした。
ここで悪そうな指標はある程度絞れました。
棚卸資産回転率
有形固定資産回転率
でしょう。
売上債権回転率が良い指標かどうかは分かりません。
ここで与件文で裏を取る作業が必要なのですが、この事例の難しいところは与件文にヒントらしいヒントが無い事です。
これは最近のトレンドかも知れません。嫌なトレンドですが・・・。
でも有形固定資産を良く見たら異常値に気が付きませんか?
なぜかD社だけ土地を持っている・・・。
なんじゃこれ?
良く分からないですが、作問者からのメッセージかも知れないですね。
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