任天堂㈱の決算書を見てみよう⑤
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
任天堂の決算を紹介しています。
安全性がずば抜けて高いですね。銀行員としてはデイフェンス能力抜群に高い印象を受けます。
今日はオフェンス能力とも言える収益性を見ていきます。
任天堂の決算資料のリンクを貼っておきます。
基本数値を紹介します。カッコ内は対前期比です。
売上 1兆3,085億円(+9%)
営業利益 3,523億円(+41.1%)
経常利益 3,604億円(+30%)
当期純利益2,586億円(+33.3%)
なんか違和感ありません?
売上の伸びに対して営業利益の伸びが半端ないです。
売上高総利益率 49%(+7.3%)
売上高営業利益率 26.9%(+6.2%)
と売上高総利益率の伸びが凄いです。
ここで診断士試験事例4ミニ対策として売上高総利益率を考察してみます。
事例4で必ず出題される問題は経営分析です。では皆様は売上高総利益率という指標のイメージは出来ているでしょうか?ただ数値が良い悪いでは、本質的な理解は進みませんよ。
売上高総利益率は商品・サービスの価値を表しています。
売上高総利益=売上高ー売上原価
売上高:商品・サービスを提供した対価
売上原価:商品・サービスの原価
売上高総利益率を高くするためには上の公式からどうすれば良いでしょう?
①売上を増やして、売上原価を減らす
②売上を増やして、売上原価はそのまま
③売上はそのまま、売上原価を減らす
④売上は減らすが、売上原価をそれ以上に減らす
この4つがその方法になります。
診断士試験事例4で出題されるパターンは①と②です。
特徴としては、商品・サービスが市場で評価されており、高付加価値(要は高い値段)で市場に提供できている事です。
ちなみに事例4の与件文で「商品が評価されている」「高付加価値の製品を提供」「商品にこだわり」「○○技術を活かした」などのキーワードが出てきたら、売上高総利益率が優れた指標として解答になりやすいです。
商品・サービスが市場から人気があり高い価格でも爆売れしているイメージでしょうか。
任天堂の決算を分析すると①のパターンです。
任天堂㈱は売上が伸びているのに売上原価を抑える事が出来ています。
売上高 1兆3,085億円
(対前期比1,079億円)
売上原価 6,668億円
(対前期比 △325億円)
これ何ででしょ?
NintendoSwitchがバカ売れなのは分かりますよね。しかし1台作るコストが大きければ儲けはそれほど出ません。
ここで任天堂の決算説明を見るとデジタル売上高の記載があります。
デジタル売上高
2,041億円
(対前期比 +71.8%)
デジタル売上高比率34%
(対前期比 +9.2%)
デジタル売上高はダウンロード専用ソフトや追加コンテンツなどの売上高です。
普通ゲームソフトはパッケージに入ってますよね。まさかソフトむき出しでは売ってないです。ダウンロード専用ソフトならばパッケージを作る必要性が無くなります。購入したお客様にソフト配信して終わりですから。粗利も当然良くなるに決まっています。
またモバイル・IP関連収入の記載があります。
モバイル・IP関連収入 512億円(対前期比 +11.5%)
Nintendo Switch ONLINEという定額制サービスを展開しています。
いわゆるサブスクリプションサービスというやつですね。
いま多いですよね。アマゾンプライムなどが一番馴染みがありますか?
任天堂のサービスはオンラインプレイはもちろん、ファミコン、スーパーファミコンのソフトがダウンロードできるサービスです。
超懐かしいソフトが目白押し。「ツインビー」「イー・アル・カンフー」とか懐かしずぎる・・・。こりゃ、流行るわ。
これからはモバイルサービスを強化する事により売上原価を下げながら売上を伸ばす方針なんでしょうね。子供だけで無く大人にとっても魅力的なコンテンツが一杯あることに気付きました。
今日はここまでにします。
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