回転率の話②
おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。
昨日は回転率の話をしました。今日は続きの論点です。この論点を書きだしましたが少し長くなりそうです。診断士受験の方にも当然役に立つと思い書いています。実務よりのネタではありますが・・・。
以前にもお話しました正常運転資金の算式を見て下さい。
正常運転資金=売掛債権+棚卸資産ー支払債務です。
昨日のブログで売上債権回転率、棚卸資産回転率を短くする事の重要性がこの式からも分かると思います。
この式をもっと分かりやすく書くと、
売掛債権:売ったお金を早く回収しなさい!
棚卸資産:作ったものは早く売って現金に換えなさい!
支払債務:なるべくお支払いは先に延ばしてくださいね!
といった感じですね。
棚卸資産は商品です。爆発的に商品が売れれば良いですけど。マーケティング要素もありますね。でも中小企業はバンバン広告を打てるわけにもいきません。
売れ筋商品に絞ると事例2でもありましたね。事例3では在庫が溜まらないように生産管理を徹底させました。全部資金繰りに直結します。
なんか繋がってきました?
次に売掛債権と支払債務については書きます。
これは収支のズレに起因している事が原因でしたね。
売掛金は売上として成立しているが、現金が入ってこない状態です。
商品を既に作っていますので、材料などの仕入れは先行しています。既にお金が出ています。
お金が出ているのに、商品が売れても現金が入らない!資金繰りは厳しくなります。
正常運転資金の公式から見ると、
①売掛債権額を少なくする②支払債務額を大きくする事で正常運転資金が少なくなります。
理論上の話をします。あくまで理論上ですよ。
売掛債権を全部現金回収にして、支払いを6ヶ月後に払います!そうすれば資金繰りは楽にできますね。さあ実行!といっても実現は不可能じゃないですか?
ファイブフォースモデルは企業経営理論で習いますね。業界の収益性を分析するもので
①業界内の競合②新規参入の脅威③代替品の脅威④売り手の競争力⑤買い手の競争力という5つの力から業界分析するものでした。
中小企業診断士2次試験では①業界内の競合は事例2で差別化する視点、②新規参入の脅威③代替品の脅威は事例1で強みを活かして競争優位性を築く視点が求められます。
以前事例4の設問でこの論点が出題された事がありました。平成23年事例4なのでかなり昔になりますね。最近出題されてないという事は主要論点ではないのかもしれませんね・・・。
売掛債権と支払債務は売り手と買い手の競争力があるので、自社の都合だけでは決められません。
売掛債権を全部現金にすれば資金繰り的にはベストですけど、パワーバランスもありますし一度に全部現金回収には出来ません。売上債権回転率0。数値的には素晴らしい数値ですけどね・・・。
支払債務を6ヶ月後にしたら、超嫌な会社じゃないですか。自社の事しか考えていない会社は永続的に反映する訳がありません。ノットゴーイングコンサーンです。
あくまで売掛債権を早く回収する意識を持つこと。例えば売掛金がいつ入金になるのか期限を設定する。仮に売掛金が入金にならない場合に取引先に確認するなどのちょっとした努力の積み重ねが必要です。
支払債権も先延ばしに出来れば良いのですが、あんまりこれをやり過ぎると「あの会社実は資金繰り厳しいかも?」という噂が立つ可能性が大きいです。ほどほどに。
資金繰りの話と中小企業診断士の学習が少しずつマッチしてきませんか?
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