中小企業診断士けんけんの部屋

中小企業診断士が日常を気ままに伝えます。

粉飾決算?

おはようございます。中小企業診断士のけんけんです。

 

経営分析について書いていきましたが参考になりますか?

今日は銀行ネタを含めて決算書について解説していきます。

銀行の融資部門にいると毎日のように決算書を眺めています。

とある企業の話です。決算書を預かったら貸付金が大幅増加していました。社長に聞いたら、「使途不明金があって貸付金で処理したよって会計事務所が言ってたよ」と回答。

使途不明金があるって貸付金がいくら増えたと思います?

700万ですよ。

事件のにおいがプンプンします。

実は、この会社業績悪化により返済を軽減している企業ですが、前期の試算表で現金が1,000万円あったんです。預金じゃなく現金ですよ。返済軽減している企業がこんなに現金をもっているわけないですよね?

これは粉飾の手口で「決算書で本当は赤字なのに、見栄えをよくするため」に行われています。本当は接待交際費などで現金を支払ったのに経費処理をすると赤字になるのでそのままにしておくのです。つまり現金は夜の街に消えているのに、決算書上では現金は減らないのです。

結局フタを開けたら会社の金が社長に流れ、社長一族の借入返済に充てられていたのが判明。社長一族が借金まみれだったわけです。ちなみに調査の結果、会社にも簿外債務が・・・。

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事件は現場で起きてるでしょ!

この間も外国人の社長が突如消えてブラジルに帰ってしまったし・・・。本部からはブラジルまで行って探してこいと言われましたが、そんなこと言われても。

あと一つ決算を見て資金繰り改善の話をします。短期借入金って1年以内で返すもの。長期借入金って返済に1年以上かかるものでしたよね。短期借入金の代表格は手形貸付。手形を差し入れてもらい、期日が来たら一括返済ってやつです。昔は一括返済じゃ返済資金を用意できないから、みんな長期の分割返済に偏りがちでした。

ここで「短期継続資金」って聞いたことがありますか?診断士勉強されている方なら「正常運転資金」って習いましたか?

正常運転資金=売上債権+棚卸資産仕入債務です。

 

運転資金は材料などを「仕入」をして、それを製品として組立し「在庫」になり、販売して資金を回収するというサイクルを無限ループしていきます。

例えばラーメン屋さんは材料を仕入れてラーメンを作って現金で回収する、いわゆる現金商売なのでこのサイクルは短いです。つまり運転資金はほぼいらない状態。

しかし、仕入れして製品になっても売れるまでに時間がかかります。仮に売れても売掛金だと直ぐに現金が入ってきません。受取手形になると4か月くらい現金が入ってきません。でも仕入をしないと新たな製品が作れません。

なので正常運転資金は商売をしていく上でしょうがない資金として銀行は見ているのです。

何が言いたいかというと、正常運転資金の範囲内の借入であれば手形貸付の期日が来ても、利息を支払えば期日延期してくれます。いままで長期借入金ばかりで毎月の返済が苦しい企業の場合、短期継続資金に融資を組み替えすれば資金繰り改善につながるのです。

例えば正常運転資金が1000万、長期借入金が1000万円ある企業があるとします。仮に1年間で200万元金返済していて返済が厳しいです。この1000万を手形貸付で借り換えて短期借入金に組み替えをすれば、元金返済はゼロでOK。200万返済が浮いて資金繰り改善に繋がります。

資金繰り改善は経営者にとっても即効性のあるアドバイスになるので参考にしていただければ幸いです。

 

そういえば、「半沢直樹」が再び放送されますね。池井戸先生の大傑作です。「半沢直樹」もあらゆる逆境を乗り越えていきますね。「倍返し」で。

半沢直樹シリーズを見て勇気を貰えますが、前の支店の上司にボロクソ言って評価を下げられたことを思い出しました。まあどうせ偉くはなれないので、自分のやりたいように仕事しよ。

では明日へ続きます。あしたからは診断士ネタに戻りますので。事例4を継続するか、他の事例の話をするか。どうしようかな?行き当たりばったりでブログを書いています。

 

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